ニュース速報

ワールド

米コロニアルのパイプライン再稼働、ホワイトハウス「状況注視」

2021年05月13日(木)14時15分

5月12日、米エネルギー省のグランホルム長官は、大規模サイバー攻撃を受けた米パイプライン最大手のコロニアル・パイプラインが操業を再開すると発表した。ニュージャージー州ウッドブリッジのコロニアル施設で10日撮影(2021年 ロイター/Hussein Waaile)

[12日 ロイター] - サイバー攻撃を受けた米パイプライン最大手のコロニアル・パイプラインは12日、操業を再開したと発表した。攻撃により操業は1週間近く停止していた。

米南東部ではガソリン不足やパニック買いが起きているが、コロニアルによると、燃料供給網が正常に戻るには数日かかる見通しという。

ホワイトハウスは、コロニアルと引き続き緊密に連絡を取り、必要な支援を提供していくと表明。

サキ報道官は、12日夜の声明で「バイデン大統領とホワイトハウスは今後数日の状況を注意深く監視し、引き続き国民に燃料の買いだめをしないよう呼び掛けていく」と述べた。

コロニアルは、身代金を要求するランサムウエアによるサイバー攻撃を受け、ガソリンやディーゼル、ジェット燃料など1日250万バレルを輸送するパイプラインを7日に停止していた。

事情に詳しい関係筋によると、同社はハッカーの身代金要求に応じない方針という。

こうした中、米南東部ではガソリンのパニック買いが起きている。夏のドライブシーズンの始まりとされる5月末のメモリアルデーの連休を前に、ガソリンスタンドには長蛇の列ができた。

エネルギー業界は、国内には十分なガソリン備蓄があるとし、買いだめを控えるよう呼び掛けた。パニック買いにより、コロニアルのパイプラインが通っていない地域でも燃料不足が起きていると指摘した。

調査会社・ガスバディーのデータによると、ジョージア州アトランタ都市圏では、約60%のガソリンスタンドでガソリンが売り切れとなった。ノースカロライナ州でも65%、ジョージア州とサウスカロライナ州では43%が在庫切れという。

ガソリン価格も上昇し、米国自動車協会(AAA)によると、無鉛ガソリンは1ガロン当たり平均3ドルを上抜け、2014年10月以来の高値を付けた。

S&Pグローバル・プラッツのアナリストは、完全な回復には「少なくとも数週間かかる」と指摘し、米北東部の燃料在庫は今週、5年ぶり水準に落ち込むとの見通しを示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

市場動向を注視、為替市場で一方向また急激な動きもみ

ワールド

訪印のプーチン氏、モディ首相との会談開始

ビジネス

金融政策で金利差縮めていってもらいたい=円安巡り小

ビジネス

世界のIPO、11月は前年比15%増の127億ドル
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 8
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 9
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中