ニュース速報

ビジネス

仏GDP確報値、第1四半期は前期比-5.3% 都市封鎖で50年ぶり大幅減

2020年05月29日(金)18時44分

 5月29日、フランス国立統計経済研究所(INSEE)が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比5.3%減で、速報値の5.8%減から上方改定された。写真はルノーの工場で6日撮影(2020年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

[パリ 29日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が29日に発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比5.3%減で、速報値の5.8%減から上方改定された。

ただ、新型コロナウイルスに伴うロックダウン(都市封鎖)を受けて深刻なリセッション(景気後退)局面にあることに変わりはなく、四半期の減少率としては、フランスが市民暴動や大規模な学生デモ、ゼネストに見舞われていた1968年以来の大きさ。2019年第4・四半期はマイナス0.1%成長だった。

ロックダウンはフランスの伝統的な成長エンジンである家計支出を圧迫。INSEEによると、4月の消費支出は前月比で過去最大のマイナス幅となる20.2%減。3月も既に16.9%減となっていた。

仏政府が3月中旬に導入した厳しいロックダウンは幅広い経済活動を停止させた。

5月11日に制限措置の段階的な解除が始まり、経済活動は徐々に回復しつつあるが、INSEEは今週、仏経済が第2・四半期に20%のマイナス成長となるとの見通しを示した。

モルガン・スタンレーのエコノミスト、ジェイコブ・ネル氏はリサーチノートで「5月のロックダウン緩和に伴って経済活動が上向いてきていることを調査データは示唆しているが、回復は緩やかなものに見える。新型コロナ前の生産水準に戻るのは2022年になってからだろう」と予想した。

ロックダウンの間、店舗やカフェなど消費者が支出する場を失ったため、INSEEによると、家計の貯蓄率は19.6%と、1970年代終盤以来の水準に急上昇した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 8
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 9
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中