トランプも敵わない情報操作

安価に制作でき、感情を強く揺さぶり、しかも一見しただけでは見抜けないほどリアルなだけに性質が悪い。

かつてのぎこちないディープフェイクとは異なり、この新世代AI動画は、人々が容易に信じ込んでしまう水準に達している。それは、民主主義や政治の根幹を揺るがしかねない脅威となる。

シーダンス2.0は単なるAIの節目ではない。新たな政治的武器になり得る。

ドナルド・トランプ米大統領にとって、その変化は両刃の剣だ。トランプの政治的台頭は、バイラルな話題性と、人々の関心そのものが価値を生む「注目経済」の支配力に支えられてきた。

しかし、誰もが本物のトランプのように見える捏造動画を大量に生成できる世界では、トランプ自身の発信は相対的に薄まり弱まる。

トランプに批判的な捏造動画が拡散すれば、ファクトチェックが介入する前に何百万人にも届く。フェイクだと分かった時にはもう遅い。

有権者が本物の映像と虚構を区別できなくなれば、政治的コミュニケーションへの信頼は崩壊する。メディア対応に長けたトランプでさえ、雑音の奔流にかき消される危険がある。

中間選挙はデジタルの地雷原に