<「20代は10代の、30代は20代の答え合わせ」と話す、自身もZ世代である岸谷蘭丸さん。『新版 20歳のときに知っておきたかったこと』を若者に薦める真意を聞いた>
「言い訳」という言葉には、常に後ろ向きな響きがつきまとう。やらない理由を探し、現状に留まるための自己正当化。傷つかないための防衛線。
しかし、彼が語る「言い訳」は、全く逆の機能を持っていた。それは、重い腰を上げ、最初の一歩を踏み出すための軽やかな「免罪符」なのだ。
自らの会社を経営し、メディアにもZ世代のコメンテーターとして日々出演する、実業家でインフルエンサーの岸谷蘭丸さんはこう語る。
「24歳ともなると、同世代にも一芸に秀でた人間が現れますが、実はそこまでの能力差はなく、あるのはマインドの差だと思います。マインドしか差がないってことは、マインドさえ変えれば差は埋まる。
『本に書いてあったからやってみたんだけど......』こんな軽い言葉が、最初の一歩を踏み出すための言い訳になるんじゃないかと思います」
『新版 20歳のときに知っておきたかったこと――スタンフォード大学集中講義』(CEメディアハウス)は、スタンフォード大学工学部の教授であるティナ・シーリグが、20歳になろうとする息子のために「社会に出る前に知っておくべきこと」を整理し、まとめた一冊だ。日本では2010年に刊行され、2020年には増補アップデートされたこの「新版」が出て、国内だけで40万部を超えるベストセラーとなっている。各界著名人に支持され、新成人、新社会人に長く読み継がれてきた。
著者のシーリグは、スタンフォード大学アントレプレナー・センターのエグゼクティブ・ディレクター。いわば、起業家育成のプロが次世代のために体系化した知恵であり、その圧倒的な権威性は、私たちが一歩を踏み出すための何よりの「言い訳」になる。
「スタンフォードの教授がそう言うのなら」。その一言が、現状を打破する免罪符となってくれるはずだ。
「『踏み出した時点で物事の9割は終わっている』とよく言います。それがこの本でも言われているような気がしていて。自分のマインドを奮い立たせるような内容は、個人的な信条と一致していました」と、岸谷さんは言う。