「かなり高度に都市化された国で、人口の大半が北部・中部の沿岸地帯に密集している。北部のオリノコ川以北には良好な道路網が整備されているが、その南側には広大な熱帯雨林とサバンナが広がっている。西部はアンデス山脈北東部の尾根が占めており、メリダ市付近では標高4500メートル以上に達する」

「もう1つの重要な点は、都市部と農村部の一部でさまざまな武装集団が地域を支配していることだ」とガンソンは付け加えた。

「左翼武装集団は複数の都市のスラムに深く根を下ろしており、ELNのようなコロンビア系のゲリラ集団は国境地帯を支配し、ボリバル州北部の鉱山地帯で強力な存在感を示している。また重武装した犯罪組織もあり、彼らも新政権による法の支配には徹底して抵抗してくる」

マドゥロ政権崩壊後にはアメリカが新政権を支えるはずだが、その場合でも「米軍や他の外国軍がベネズエラ国内の治安維持のために兵士を派遣する可能性はない」とガンソンは言う。つまり「新政権は現在の警察や治安組織に依存せざるを得ない」。

しかし「彼らは各地の武装集団を取り締まる一方、裏では手を組むことで、どうにか治安を維持している」とガンソンは指摘する。

「警察自体も深刻な腐敗にまみれ、装備も訓練も不十分で、仮に野党指導者(でノーベル平和賞受賞者の)マリア・コリナ・マチャド率いる新政府ができたとしても、素直に協力するとは思えない」とも言う。

転覆は簡単でも、その後が地獄