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アメリカはカリブ海で「サザン・スピア(南方のやり)」作戦と名付けた軍事作戦を展開している(25年9月) SAVANNAH HARDESTYーU.S. NAVY

「故チャベス大統領の時代から、ベネズエラの治安部隊は大国との戦いに備えている。米軍に攻め込まれたら、たとえ核攻撃がなくてもせいぜい数日しか持たないのは百も承知の上でだ」と指摘したのは、欧州拠点のシンクタンク国際危機グループのカラカス駐在アナリスト、フィル・ガンソンだ。

「ゲリラ戦や破壊工作などで事態が長期的に不安定化する脅威を見せつけ、介入を抑止したいのが本音だ」

ガンソンはこう続ける。「どれくらいの人数が、どれくらいの期間、そんな抵抗を続けられるかは予測し難い。しかし少人数でも侵略者に大きな損害を与えることは可能だ。とりわけ新政権が経済運営や官僚機構の掌握に苦労し、国民からの高い期待に応えられない場合はそうだ」

軍事作戦の下地が整う

アメリカとベネズエラの対立は、マドゥロの前任者であるチャベスの時代から続いている。

チャベスは1999年に大統領の座に就き、社会主義的な改革と中南米地域におけるアメリカの影響力排除を目指す「ボリバル革命」の旗を掲げた。

25年の初めに大統領に復帰したトランプはマドゥロ政権に対し、当初は軍事的圧力と外交の両面作戦で臨んだ。しかし成果は上がらず、このところは緊張が高まる一方だ。

お膝元で高まる軍事圧力