JPモルガンの株価がこの日、終値で2%超上昇し、ダイモン氏が自身のために政府の寛大な措置を引き出す優れた能力を持っていることが市場に評価されている点も確認された。

さらなる銀行破綻ではどうなるか?

一方、ファースト銀を巡る当局の姿勢により、次に銀行破綻が起きた場合にどうなるのかという疑問も提起されている。FDICは3月下旬、預金流出が続いていたファースト銀のためにJPモルガンなど大手11行に300億ドルの資金支援を要請した挙げ句、今回の破綻に至っただけに、もうこうした手を使うのはほぼ不可能になった。つまりFDICは難しい立場に陥り、これ以上モラルハザードを引き起こさずに米国の預金者を救う適切な方法をなかなか見つけられないことを物語っている。

その半面、ダイモン氏は一連の行動を通じて立場が強固になった。ファースト銀の預金者だけでなく、ある意味でFDICも救済したからだ。もっともこれで納税者が安泰になったという保証はない。今後の課題は、ダイモン氏によるファースト銀救済が、確実に米国の銀行破綻の最後の1件になるような道筋をつけることになる。

●背景となるニュース

*JPモルガンは1日、ファースト・リパブリック銀行の大半の資産を購入し、この日同行を管理下に置いた連邦預金保険公社(FDIC)から預金や他の債務を引き継いだと発表した。

*この取引の一環としてFDICは新たに500億ドルの5年物固定金利タームローンを提供。一戸建て住宅ローンと商業不動産向けを含めた商業用ローンからの損失の80%もカバーする。

Lauren Silva Laughlin(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

[ロイター]
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