<スピードを出し過ぎのトラックの下敷きになった母親が、息を引き取る前の数分間で赤ちゃんを産んだ>

妊娠8カ月の女性カミニが、インドのアグラにある自宅から実家に向かう途中で、不幸な事故にあった。

カミニは夫のラムーが運転するオートバイで移動中だった。反対方向から来た車との衝突を避けようとしたとき、ラムーはオートバイをコントロールできなくって、転倒した。

カミニはオートバイから投げ出され、スピードを出しすぎていたトラックに押しつぶされた。地元メディアの報道によると、カミニは路上に横たわった状態で産気づき、死の数分前に赤ん坊を出産したという。

目撃者らの話からすると、この恐ろしい事故にも関わらず、赤ん坊が生き延びたのは奇跡的なことだった。トラックに轢かれたカミニの身体は、かなりの部分がバラバラになっていたからだ。

交通事故死が世界最多

「赤ん坊は完全に危険な状態を脱した。早産のため、体重は少々不足している。へその緒が事故のために圧迫され、おへそに軽い傷がある。少し治療をするだけでいい」と、フィロザバード医科大学の小児部長LKグプタ医師は、地元紙タイムズ・オブ・インディアに語った。

「事故の無残な写真を見たが、母親の体は大部分がつぶれていた。この子が助かったのは、本当に奇跡としかいいようがない」

夫妻はカミニの65歳の叔父に会いに行く途中だった。癌を患っていた叔父はカミニの死を聞いて、その日の夕方、息を引き取った。警察は事故直後に現場から逃走したトラックの運転手を容疑者として捜索している。

世界銀行の報告書によると、インドでは毎年15万人以上が交通事故で亡くなっている。これは、世界のどの国よりも多い。全世界の交通事故による死者数のうち、最も数が多い。

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