それにロシアは、核の抑止力だけでなく、強力なサイバー攻撃能力を構築してきた。

CNNによると、米国土安全保障省は1月23日の報告書で、ウクライナ侵攻に対するアメリカまたはNATOの措置が、ロシアの「長期的な国家安全保障」を脅かすと見なした場合、ロシアは米本土に大規模なサイバー攻撃を仕掛ける可能性があると指摘している。

民主主義陣営に希望がないわけではない。

近年、多くの国でナショナリスト感情が高まり、国際協調の機運は衰えてきたが、ロシアのウクライナ侵攻は、民主主義陣営が結束の必要性を実感するきっかけになるかもしれない。ジョー・バイデン米大統領はそれを自らの大きな目標の1つにしてきた。

バイデンは2月24日のスピーチで、ロシアの指導部と企業と銀行に対して厳しい制裁を科すことによって、その軍事力と経済力を衰えさせるアメリカとNATOの計画を明らかにした。また、プーチンのウクライナ侵攻は「世界平和の基本理念に対する攻撃」だと非難した。

今後の展開は、いったい何を考えているのか分からない男の行動に左右されることになる。

しばらく前から、プーチンは合理的な判断ができなくなっているのではとも言われてきた。だが、そんな男が、民主主義陣営と世界秩序を過去に例がないほど追い詰めているのは間違いない。

ロシアのウクライナ侵攻は、「第2次大戦後に構築された世界秩序の限界を知らしめた」というスタインバーグの言葉が身に染みる。

From Foreign Policy Magazine

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