一方、英ケンブリッジ大学は10月27日、ベニン・ブロンズの1つであるおんどりの彫刻をナイジェリアに返還した。「かつては私たち民族についての物語があり、これらの彫刻は私たちの力とアイデンティティーの象徴だった」と、ベニン・ブロンズの返還を強く求めてきたベニン市の会計士はニューヨーク・タイムズ紙に語っている。

イシュタル門などイラクの遺物や文化財についても同じことが言える。イラクは依然として宗派抗争によって荒廃したままだ。共有する過去をとおして共通の「物語」を確認することは、分裂した国を再び一つにするのに役立つだろう。

現在、イラク情勢は比較的安定する方向に向かっている。そうしたなかで、とりわけ文化観光の推進は国を前進させることにつながるはずだ。アメリカがイラクに略奪文化財1万7000点余りを返還したことは、その実現に一歩近づくことを象徴している。

ただし、アメリカだけの動きで終わらせてはならない。これを機に世界中の美術館や博物館は今後さらに略奪文化財の返還を進めていく必要がある――たとえ、それがどんな「秘蔵」の逸品であろうと、だ。

From Foreign Policy Magazine

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