文政権は壮大な戦略的ビジョンを描くが、現実には韓国で働く外国人とその家族はコロナ禍のさなかで一層肩身の狭い思いをしてきた。

韓国はもともと同質性が高い社会だ。大量の外国人労働者の流入はさまざまな軋轢をもたらし、その処遇は政治問題になっている。来年の大統領選の有力候補、京畿道の李在明(イ・ジェミョン)知事は外国人の人権尊重を声高に訴えている。韓国経済は輸出に大きく依存しており、国際的イメージに傷が付けば経済にも影響が及ぶ。大統領選でも外国人の処遇は争点の1つになるだろう。

自治体が独自の判断で打ち出した命令とはいえ、在留外国人に検査を強いれば、ASEAN加盟国の心証は悪くなる。米中の板挟みから逃れるため南方に活路を見いだそうとした文政権にとって、これは頭の痛い問題だ。

From thediplomat.com

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