今年10月のドイツ統一記念日開催地エアフルト。前回お伝えした記者会見の合間を縫って、市民祭の主要開催会場となる旧市街とペータースベルクを駆け足でめぐりました。 (画像はすべて筆者撮影)

旧市街

ゲ―テ街道上の街のひとつテューリンゲン州の州都エアフルトは、約1300年の歴史ある古都。なかでも旧市街は、数多くの歴史的建造物があり、歩いて巡ることができるのも魅力です。

聖マリア大聖堂とセヴェリ教会

06norisp.jpgエアフルトのランドマークである聖マリア大聖堂とセヴェリ教会。大聖堂はエアフルト最大にして最古の教会です。742年にボニファティウス司教によって設立されたエアフルト教区の主要な教会で、統一記念日の10月3日、ここで礼拝が行われます。

堂内では、14世紀に作られた広大な聖歌隊席、ロマネスク様式の聖母像と蝋燭を運ぶモニュメントの彫刻が特におすすめ。礼拝中や特別インベント開催中以外は、無料で入場できます。機会があれば、世界最大のスウィング式の鐘の音色を是非堂内で聞いてください。この鐘は、ヨーロッパの鋳造芸術の最も重要な作品とひとつとして注目されています。

大聖堂の右隣に建つセヴェリ教会は、3つの尖塔のユニークな形がシンボル。セヴェリ教会は12世紀ごろに建てられたといわれます。

ぺータースベルク要塞

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大聖堂広場の裏手にある丘にはペータースベルク要塞があります。中央ヨーロッパで最大かつ唯一、大部分が保存されているバロック様式の都市要塞の一つです。星型をしており、当時としては最も近代的な要塞であり、難攻不落でした。

東西ドイツ統一後の1990年以降、細部にまでこだわり、巨額の費用を投じて再建されています。

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司令官の家の新しい展示や、要塞の強固な壁の中にある聴音通路を探検したり、旧市街を見下ろす素晴らしい眺めを堪能したりすることができます。

暗闇を歩く迷路のようなトンネルツアーは、エアフルト観光局が催行する人気のツアー。暗いトンネルから外に出ると要塞からは美しい旧市街の景観を望めます。この場所の歴史を体験できる展示と外を歩く散策ルートもおすすめです。

アンドレアス通り記念教育センター

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大聖堂広場から北西へ3分程歩くと、一見相反する2つのテーマ「抑圧と解放」を併せ持つ追憶の地「アンドレアス通り記念館と教育センター」があります。

旧東ドイツ国家安全保障省が刑務所として使っていた建物で、社会主義統一党(SED)における独裁政権のシュタージ下の監獄には、共産主義政権に抵抗した市民5,000人以上が収監されたのです。

現在は、テューリンゲン州のSED独裁政権に関する最も包括的な展示品を持つ博物館として公開されています。コミカルな外観が印象的な「平和革命のキューブ(画像)」も見ることができます。

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のちに勇気ある人々が、ここを占拠しました。これは、平和革命の間、恐れられていた「シュタージ」の砦を占拠した最初のケースでした。 

テュ―リンゲン州プレゼンテーション会場

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テューリンゲン州首相府とヒルシュガーデン 

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テューリンゲン州首相府は、18世紀初めにルネッサンス・バロック様式で建てられた建物で、1802年までマインツ選帝侯国総督の鑑定として使用されていました。1808年、ゲーテがナポレオンに謁見した場所としても知られます。1995年以降、州首相府となりました。

首相府前には緑豊かな州立公園ヒルシュガルテンがあります。統一記念市民祭では、この公園にテューリンゲン州各地と、2023年統一記念行事開催地ハンブルクのスタンドが立ち、プレゼンテーションが行われます。

エアフルト 劇場広場

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10月3日、ドイツ統一記念日式典セレモニーの開催されるエアフルト劇場。建物の右側にはかつての城壁が見られます。

フィッシュマルクトと市庁舎

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市庁舎(画像左)が建つフィッシュマルクトには、特に華麗な装飾の建物が並び、交易で繁栄したエアフルトのなごりが伺えます。ネオゴシック様式の市庁舎は、1870年から1874年にかけて建設されたもの。建物の起源は11世紀に遡り、舎内にはルターの伝説や生涯の場面を描いた壁画が多数あり、歴史の重みを感じます。舎内はガイドツアーで見学することができます。

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ここで見逃せないのは、かつて交易で財を築いた富豪たちの瀟洒な建物(画像)の数々。なかでもひときわ目立つのは、市庁舎の真向かいに立つ1562年に建てられたルネッサンス様式の貴族の館で、現在は近代・現代アートの美術館として親しまれています。

クレーマー橋

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フィッシュマルクト近くにあるエアフルトのランドマークのひとつクレーマー橋は、ゲラ川にかかる橋の両側に32軒の小さな家が並ぶ、約120mの長さで、橋とは思えないつくり。かつて商人が暮らし、交易を営んでいた場所です。通行と居住の機能が備わった欧州最長かつユニークな橋として人気のスポットです。

現在は、レストランやカフェ、木彫り工芸、チョコレート工房などが軒を連ねています。

市庁舎橋

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クレーマー橋と並行する市庁舎橋を歩き、クレーマー橋を外側から眺めてみるのもいいでしょう。ドイツ統一記念日のインフォポイント、エアフルトマイレ、ルターをテーマとした無料ガイドツワーの集合場所エアフルトツ―リントインフォは歩いてすぐ。(画像左よりゲラ川、歩行者やベンチで休憩する人が見られる市庁舎橋、そして赤い屋根の中央に細い道があるクレーマー橋)

ウェニゲマルクト

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クレーマー橋を東方向に歩きます。橋が終わるとウェニゲマルクトに行き着きます。この広場では11世紀頃から交易の場として栄えたそうです。こじんまりとした広場を囲み、レストランやカフェがあり、いつも人だかりが絶えない活気あるスポットです。市民祭ではジャズ音楽の中心舞台となります。

中央ヨーロッパ最古のユダヤ教会

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旧シナゴーグ

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中世時代エアフルトにはユダヤ人コミュニティがあり、ユダヤ社会の歴史的な施設が残っています。旧シナゴーグは、10世紀末に発見され、古い壁の一部や現存する屋根などその歴史は11世紀まで遡る中央ヨーロッパ最古のユダヤ教会(旧シナゴーグ)です。現在旧シナゴーグは、ユダヤの歴史と文化を展示する博物館になっています。シナゴーグ内部は撮影禁止です。

中世の虐殺時にユダヤ商人が埋めた装飾品など「エアフルトの財宝」が90年代に発見されました。数千個の硬貨、金貨、銀貨をはじめ、14世紀のユダヤ人の貴重な結婚リングも展示されています。儀式に使われた"ミクバ"という風呂跡も関連する貴重な遺跡の1つです。

アンガー広場

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かつて蝋、ワイン、羊毛、小麦などの主要な取引場所であったアンガー広場。現在はエアフルトの主要なショッピングストリートであり、買い物好きな人々にとってはまさにパラダイス。エアフルト中央駅からバーンホフ通りをまっすぐ行くと、この広場にアクセスできます。とにかく歴史的な建物が多い場所で、個人的に魅かれる広場です。

聖ローレンツ教会

聖ローレンツ教会はアンガー通りに面しており、エアフルトの活気ある中心部に位置しています。特に注目すべきは、1978年から毎週木曜日に行われている「平和の祈り」です。

ロシアによるウクライナ侵攻が今だ収束していない現在、ドイツ統一記念日を機に改めて平和の意義を考えてみるのはいかがでしょうか。

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