●外交上の「非協力」と軍の配備

北朝鮮やイランといった国際的な問題で、米国への協力を減らす可能性がある。また、南シナ海や台湾周辺で軍事活動を拡大する可能性がある。

米国のカードは

一方、米国の対抗策としては以下の措置が考えられる。

●追加関税

米国は中国からの輸入品に課す関税を引き上げる可能性があり、その権限はトランプ大統領が握っている。

トランプ政権はこれまで関税の対象外だった中国製品への課税へ向け準備を進めている。

さらに1つの選択肢として、機械や半導体、自動車・航空機部品、電子部品など昨年7月と8月に関税を課した中国製ハイテク製品の税率を引き上げる措置が考えられる。

●中国企業に対する制裁

米国は、知財窃盗や制裁違反、人権侵害などがすでに指摘されている中国企業に追加制裁を課す可能性がある。

トランプ政権がファーウェイに行ったような、特別な許可なしに米企業と取引することを禁止するブラックリスト対象企業を拡大するかもしれない。

米政府はすでに、中国の監視カメラ大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)や浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)への制裁措置を検討している。両社とも、少数民族ウイグル族などイスラム教徒の収容施設における監視に関与している。

問題は、対象となる中国企業と取引のある米企業もダメージを受けることだ。

米政府はまた、次世代通信規格「5G」からファーウェイを排除するよう、外国政府への圧力を強化することもできる。

●司法省による取り締まり

司法省は、中国からの経済や安全保障面での脅威に対抗するための取り組みの一環として、引き続き米企業から技術や営業秘密を盗む中国のスパイやハッカーの摘発を続ける可能性が高い。

●外交と軍事力の使い道

米軍は台湾海峡や南シナ海で「航行の自由」作戦を継続しており、すでに緊張が高まっている。中国側は、自国の一部とみなす台湾への主権を確認するために、必要とあれば武力行使も辞さない構えを強めている。

米艦艇は今年に入り、少なくとも月1回は台湾海峡を航行している。米国はこうした航行作戦を昨年7月に再開させた。

トランプ政権は、ウイグル族に対する人権侵害の容疑がある中国政府の有力高官に制裁を課すこともできる。

また、北朝鮮の核開発計画に資金や資材を提供している中国企業の摘発を強化する可能性もある。

(翻訳:山口香子、編集:久保信博)

[ワシントン ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます