Jonathan Saul Renee Maltezou
[アテネ 1日 ロイター] - 国連の国際海事機関(IMO)のドミンゲス事務局長は、米国とイランの間で現在停戦中であるにもかかわらず、ペルシャ湾内に足止めされている数千人の船員を移動させるには依然としてリスクが大き過ぎるとの認識を示した。
アテネで開催される「ポジドニア海運業ウィーク」の開幕を控えた5月31日にロイターの取材に応じて「根本的な原因が解決され、紛争当事者間でもっと決定的な合意や停戦、あるいは完全な合意が得られるまでは、いかなる行動も起こすことはできない」と語った。
イランがホルムズ海峡の通航制限を行っているため、ペルシャ湾内で足止めされている船舶には推定2万人の船員が乗船している。
ドミンゲス氏は、「(事態が完全に収束するまで)安全の保証がないため、船員を移動させるための行動をとることはリスクがあまりに大きい」と述べた。
IMOのデータによると、2月28日に米国・イスラエルとイランの戦争が始まって以来、湾内では11人の船員が死亡している。
ドミンゲス氏の話では、IMOはここ数週間、オマーンでイランを含む関係者と協議を行うなど船舶が退避できるよう安全な海上回廊の設置を模索してきた。ただ「ホルムズ海峡が開通したという発表があっても、その数時間後には閉鎖される。より確実な状況にならない限り、リスクを冒すことはできない」という。
船舶運航会社は、3カ月にわたる足止めを経て、船員たちには交渉に基づいた安全な脱出手段が必要だと主張している。
ヘイドマー・マリタイム・ホールディングスのパンカジ・カンナ最高経営責任者(CEO)は1日、ロイターに「乗船している船員たちは家族に会えないだけでなく、子供の誕生や親族の死、結婚といった人生の節目にも立ち会えずにいる」と訴えた。
カンナ氏によると、同社の所有する船舶1隻も3カ月間ペルシャ湾内で足止めされているという。