Amina Ismail
[ブリュッセル 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)の議員と加盟国政府は1日、域外退去を命じられた移民を第三国の施設に送ることを認める新規則で合意した。人権団体からは、乱用を招く恐れがあるとして強い批判が出ている。
EUへの非正規入境は昨年26%減少し、2021年以来の低水準となったが、今回の合意は右派政党からの圧力を背景としたEUの移民政策厳格化の一環。
新規則は欧州委員会が昨年提案したもので、加盟国政府と欧州議会による正式な承認が必要となる。欧州委は、基本的人権を尊重しつつ手続きを合理化し、各国政府により多くの送還手段を与えるものだとしている。
しかし、人権団体はこの見解に異議を唱えている。
非正規移民の権利擁護に取り組む団体PICUMのシルビア・カルタ氏は「この規則は強権的な収容・送還マシンを作り出すことになる」と述べた。
EU各国は、難民認定を却下された人や滞在資格の期限が切れたまま残る人を自国領域から退去させるのに苦慮していると主張している。欧州委によると、退去を命じられた人のうち実際に出国するのは約20%にとどまる。
新規則では、EU各国は難民申請を却下された人やEUからの退去を命じられた人を対象に、域外に「リターンハブ」と呼ぶ拠点を設置できるようになる。対象者は自身とつながりのない国のハブに送られる可能性もある。
加盟国は受け入れ国の候補を明らかにしていない。