Miho Uranaka

[東京 1日 ロイター] - りそなホールディングスの南昌宏社長はロイターとのインタビューで、預金獲得への取り組みを一段と強化する考えを示した。3月末発表の中期経営計画では預金残高を前期末比で5兆円積み増す目標を掲げる。南氏は貸出を4兆円増やす目標などと合わせて「かなりアグレッシブな数字だ」と説明。金融政策正常化によって預金調達を巡る競争が激しさを増す中、安定的で粘着性の高い預金の確保を急ぐ姿勢を示した。

南氏は「金利正常化で預金にはものすごくストレスがかかり続ける」と述べ、預金の量と質の両面で調達サイドへの負担が強まると指摘。預金を維持・拡大することは「これまでの延長線上ではできない」と強調した。

<預金コスト上昇、バランスシート運営高度化へ>

金利上昇は資金利益を押し上げる一方、預金調達コストの上昇も招く。南氏は、今後は資産・負債を総合的に管理するALMの高度化がさらに重要になるといい、貸出金利の適正化と有価証券ポートフォリオの再構築を進める方針を示した。

現在の貸出スプレッドについては「過去30年のデフレ環境の中で形成されたもの」と説明。新たな金利環境に見合うスプレッドが必要との認識を示し、2029年3月期を最終年度とする新中計では、利回りの向上を図りながら法人向け貸出残高を約4兆円積み増す計画だ。円金利上昇を踏まえた円債投資も本格化し、中計期間中に約3兆円を投じる。

<資金利益に依存しない収益体制を>

収益面では、金利収益への依存度を下げる取り組みも加速する。南氏は「金利が上がって収益が増えて良かったという話ではない」と述べ、顧客の課題解決を起点とした手数料収益の拡大が不可欠と指摘。先々の金利環境の変化も見据え「収益のベストミックスを変えていく必要がある」と語った。

その一環として、西日本旅客鉄道、第一ライフグループ、JCBなどとの提携を進める。外部企業の顧客基盤やサービスと金融機能を組み合わせて取引機会を広げ、顧客との接点拡大を通じて預金獲得にもつなげる狙いだ。

今後特に期待を寄せるのが、経理業務のクラウドシステムを手がけるSaaS事業者と金融機関をつなぐ中小企業向けの決済基盤「FlexPay(フレックスペイ)」。32の銀行が参加しており、南氏は「ものすごく競争力のある仕組みだ。強力な武器になる」と評価。地域金融機関の競争力にもつながるとし、将来的には大規模なプラットフォームへ育成していく考えを示した。

※インタビューは5月28日に実施しました。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。