Howard Schneider
[ワシントン 31日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル理事は31日、8年間にわたる議長としての任期を終えてから初めて公の場で発言し、FRBの「政治化」がもたらす影響に警鐘を鳴らすとともに、民主的な制度・機関の擁護を呼びかけた。
パウエル氏は、ジョン・F・ケネディ図書館財団から贈られる「ジョン・F・ケネディ・プロファイル・イン・カーレッジ賞」の受諾演説で「民主的な機関を築き上げるには多大な時間、努力、そして忍耐が必要だが、崩されるのはあまりに早い」と述べた。
その上でFRBを裁判所や大学と並んで米国の成功と世界的な地位の鍵となる核心的な機関の1つに挙げて「これらの機関を改善しようと努めると同時に、その優れた部分を維持することが不可欠だ」と訴えた。
パウエル氏は「他の多くの機関と同様、FRBも『ストレステスト』を受けている」と指摘。具体的にはトランプ大統領によるクック理事解任の試みや、パウエル氏への辞任要求と刑事捜査などが含まれている。
5月15日に議長の任期を終えたパウエル氏は、FRBの独立性に対する脅威が続いていると自身がみなしていることなどを理由に、理事として残ることを決定。これによりトランプ氏は当面の間、別の理事を任命することは事実上阻止される。
パウエル氏は、政治的配慮から独立して金融政策の決定を下せるように意図されているFRBの構造について「これらの保護は国民に資するもので、民主・共和党の政権がそれらを尊重してきた。いかなる政権であれ、政策の相違を理由にFRB当局者を解任する方法を見つければ、将来の政権も同様のことをするだろう。国民は、中央銀行が全ての米国民にとって最善となることのみに基づいて決定を下すという信頼を失うことになる」と警告した。
同財団は今年初めにパウエル氏への授賞を発表した際、同氏が「国家の最も重要な非政治的機関の1つを守り、持続的な個人的・職業的リスクに直面しながらも並外れた勇気を示した」と称賛した。