Noriyuki Hirata

[東京 7日 ロイター] - 7日の東京市場で日経平均は一時3000円超高と急伸し、初めて6万2000円台に上昇した。米・イランが終戦に向かうとの期待感が投資家心理を楽観に傾けている。国内の大型連休中に米国市場でハイテク株高となったことを追い風に、人工知能(AI)・半導体関連株の上昇が引き続き指数をけん引している。日経平均は6月にかけて6万5000円に向かうとの見方もある。

米・イランの紛争が終結に向かいつつあるとの織り込みが進んでいる。1日の大引け時点で1バレル当たり106ドルだった米標準油種WTI先物は足元で96ドル台に下落しており、原油高への過度な警戒が緩和している。イランが米国の新たな​提案を検討していると伝わったほか、関係筋によると、米国とイラ⁠ンは戦争終結に向けた1ページの覚書で合意に近づいている。

日経平均の急伸を受けて市場では「大型連休中の米国やアジアの株高を踏まえても違和感はない」(東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジスト)との声が聞かれる。日本での大型連休中にダウ工業株30種は0.5%、S&P総合500種は2.1%、ナスダック総合は3.8%、それぞれ上昇し、S&Pとナスダックは史上最高値を更新した。

とりわけ、日経平均との連動性が意識される米フィラデルフィア半導体指数(SOX)が同期間に9%高と大きく上昇したことが投資家心理を支援し、日経平均は寄与度の高い人工知能(AI)・半導体関連の一角が上昇を牽引している。直近では、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の好調な決算が、半導体‌株などAI関連株の上昇を後押しした。

AI関連株は「イラン情勢の緊迫化で一時的に勢いを欠いていただけに、蓄積していたエネルギーが一気に噴き出した格好」(松井証券の窪田朋​一郎チーフマーケットアナリスト)との見方がある。

ソフトバンクグループやアドバンテスト、東京エレクトロンといった寄与度上位の「常連組」3銘柄に加え、フジクラやイビデン、信越化学工業といった関連株も寄与度の上位に顔を出し、これら6銘柄で日経平均を1900円近く押し上げている。キオクシアホールディングスはストップ高水準で買い気配となっている。

<AI偏重の相場が継続>

一方、原油価格の低下を受けて鉱業が急落しているほか、卸売も弱い。東証プライム市場では幅広い銘柄が買われているが、値上がり銘柄数は8割弱にとどまり、全面高とまではなっていない。日経平均とTOPIXの比率を示すNT倍率は一時、過去最高を更新し16.32倍に高まる場面があり、ハイテク偏重の株高がうかがわれる。

こうしたハイテク株偏重の相場は続くとの見方は今のところ優勢となっている。東海東京インテリラボの平川氏は、日経平均は6月にかけてAI・半導体関連株がけん引し6万5000円に向かうとの見方を示す。データセンター向け投資が引き続き活発な中、ハイテク株の業績は好調なことに加え、原油高の影響を受けにくいセクターとの見方もある。

一方、米・イランの協議は、引き続き落としどころを探っている状況でもある。市場では「戦闘終結に向けた交渉が滞るなど、中東情勢の落ち着きに対する期待がはく落した場合は注意が必要」(岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部フェロー)との声もある。

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