ロイターが入手した草稿によると、北朝鮮は自国の領土を韓国との国境地帯などと定義し、韓国との統一に関する文言を削除するなどの憲法改正を実施した。金正恩朝鮮労働党総書記の意向を反映し、今年3月の最高人民会議で採択されたとみられる。韓国との国境については特定を避けており、専門家から新たな摩擦を回避する意図があった可能性があるとの指摘も出ている。

改正憲法の第2条は、北朝鮮の領土が「北は中国とロシア、南は韓国と国境を接する土地」で、それに基づく領海と領空が含まれるとし「いかなる侵害も容認しない」と明記した。ただ、韓国との国境のほか、係争中の海洋の境界などについても詳しい記述を避けた。

ソウル大の李貞澈教授は6日、韓国統一省で記者団に、北朝鮮が憲法に領土に関する条項を加えたのは初めてだと指摘した。韓国メディアによると、李氏は南北国境が明記されなかったことに関し、金氏の「二つの敵対国家」という考えを盛り込みつつも、新たな摩擦の種を避けようとしている可能性を示唆していると説明した。

今回の改正では、金氏を国務委員長として国家元首と位置づけ、「国家を代表する最高指導者」としていた従来の文言から変更した。核兵器の使用権限は国務委員長に属するとも記載した。別の条項では、北朝鮮を「責任ある核保有国」とし、国家の生存や発展の権利を守り、戦争を抑止し、平和と安定を守るために核兵器開発を推進するとも記した。

金氏は2024年、韓国を「主敵」と明記するなどの憲法改正を求めていた。北朝鮮は近年、韓国への敵対的な姿勢を強め、韓国側との対話を拒んでいる。

[ロイター]
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