Phoebe Seers
[ロンドン 6日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)は6日公表した報告書で、プライベートクレジット市場と伝統的な銀行業界や資産運用業界の結び付きが急速に拡大していることに伴う危険性に警鐘を鳴らした。
「プライベートクレジットの脆弱性」と題した報告書には、デフォルト(債務不履行)増加などの形でプライベートクレジット市場に基調的なストレスの兆候が出現し始めている一方、この市場に透明性が欠けていることが規制当局と投資家の双方に課題を突き付けていると記されている。
また報告書は、特に米国で富裕な個人投資家向けにプライベートクレジット・ファンドの販売が広がるといった「リテール化」によって、リスクが増幅される恐れがあると強調した。
FSBが2024年のデータに基づいて見積もったプライベートクレジット市場の規模は1兆5000億-2兆ドル。オルタナティブ投資運用協会(AIMA)の試算では市場規模は3兆5000億ドルに達する。
ジョン・シンドラー事務総長は「プライベートクレジットのエコシステムは資産運用会社や銀行、保険会社、プライベートエクイティ会社などとの相互的つながりが深まり続けているという特徴が日増しに際立っている。デフォルト率は緩やかながら上昇し、選択的デフォルトなど幅広い指標も含めると、より懸念される構図になりつつある」と述べた。
報告書によると、銀行業界全体のプライベートクレジットに対するエクスポージャーは総資産の0.5%弱とまだ小さい。
それでもシンドラー氏は、透明性向上やデータ拡充、流動性のミスマッチ監視、規制当局間での最善の対応方法共有など一層取り組みが必要だと訴えた。