キスは「スタイル、ジョーク、悪意ない」と弁明
「女性へのキスは22年間務めたダバオ市長時代からの自分のスタイルである。市長時代は集会でどの女性にもキスしていた。それをあなたがた(マスコミ)が知らないだけだ」。「悪意があればあのような公の場であのような(唇へのキス)ことはしない」。「聴衆を楽しませるためのジョークだった」。「私たちは楽しんだ。ちょっとしたパフォーマンスでみんなが楽しんだ」などなど。
それでもマスコミの関心が続いたため、しまいには「十分な数の女性が不快感を持ち、辞任要求の陳情に署名するなら私は(大統領を)辞任する」とまで言い切った。しかし辞任要求の陳情に多数の女性が署名するはずはない、というのが本心であることは誰の目にも明らかだ。
さらにこのキスの際に贈呈した本がジャーナリストであるアリエル・ルフォ氏の著書「秘密の宝座、フィリピンのカトリック教会内のセックス、政治、金」という怪しげな著書であることも話題となった。なぜそんな本をキスと交換で贈呈しようとしたのか、その真意は闇の中だ。
沈静化しない批判に長女が釘
「女性蔑視」との批判に対してはロケ大統領府報道官も「冗談でやったに過ぎない」と弁明に終始している。
それでも女性団体は「たとえ相手の女性の同意があったとしても公の場で許される行為では到底ない」として追及の手を緩めていない。ドゥテルテ大統領は数々の暴言・不規則発言を繰り返す暴言王として有名だが、最近はマスコミで取り上げられることも少なくなっていた。
それだけに今回の「女性蔑視」の鳴りやまない批判に対してドゥテルテ大統領自身は「どこ吹く風」だが、さすがに女性を敵に回すのは今後の政治活動にも支障が出ないとも限らないことから長女が動いた。
6月8日にダバオ市長でもあるドゥテルテ大統領の長女サラ・デュータートさん(40)が「大統領が今後このようなキスをしないように今後は私が私費で同行する」との意向を示したのだ。
さすがに娘の前であれば自重するのか、それとも相変わらずの奔放さを続けるのか? 本筋の政治とは関係ないところでもドゥテルテ大統領の言動からは目が離せない。

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