欧州連合(EU)財務相は12日、スペインとポルトガルが過剰な財政赤字の是正に十分な努力を行なっていないとして、両国に対する制裁手続きの開始を承認した。これを受け、EUの執行機関である欧州委員会は向こう20日以内に罰金を含む制裁を提案する可能性がある。

欧州委は前週、スペインとポルトガルの2014年と15年の財政健全化努力が十分でなかったとして、両国に対する制裁導入につながる可能性のある手続きを正式に開始。これまでEUは加盟国に対しこうした制裁を導入したことはないが、この日にブリュッセルで開かれた定例EU財務相会合でEUは欧州委の決定を承認した。

制裁が決定されれば、両国は国内総生産(GDP)の最大0.2%に相当する罰金のほか、EU構造基金の一部停止などが課される可能性がある。ただ両国は決定後10日以内に軽減または取り消しを要求できる。

スペインのデギンドス経済相は、欧州委は象徴的に「ゼロ」ユーロの罰金を提案するにとどめると予想。EU財政規定違反は過去のものであるため、スペインに新たな財政措置は必要ないとの立場を示した。

ポルトガルのセンテノ財務相も、同国には新たな財政措置は必要ないとの見方を示した。

ただ、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は、スペインとポルトガルが現在抱える赤字、および将来的な赤字の削減に向けた一段の措置を導入すれば、欧州委は両国に対しより緩和的なスタンスをとる公算が大きくなると述べた。

EU当局者によると、この日のEU財務相の承認を受け欧州委は夏季休暇に入る前の最後の会合となる今月27日の会合で決定を発表する可能性がある。

[ブリュッセル 12日 ロイター]
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