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EVGENIY SKRIPNICHENKO/ISTOCK

ワイスウルフは自著の中でこう述べている。「完全に公平な社会を実現するには、人口の半分には生理があるという現実を念頭に置いた法律や政策が必要となる。生理用品は非課税であるべきで、手頃な価格で全ての人にとって手の届くものであるべきだ」

公共のトイレに生理用品をトイレットペーパーと同じように用意しようという運動も起きている。問題はコストだ。だが「タンポン自由化財団」の創設者で「トイレの平等」を求める運動を展開しているナンシー・クレーマーはこう言う。「(施設やオフィスが)トイレットペーパーの購入費用を出しているなら、生理用品の費用も出すのが当たり前だ」

クレーマーは、公立学校に通う生徒たちに無料で生理用品を支給するニューヨーク市の政策の実現にも一役買った。その2年後にはニューヨーク州が同じ措置を導入した。

生理用品の無料配布は公衆トイレやホテル、レストラン、博物館、コワーキングスペースや小売店、企業のオフィスにも広がり始めている。大学の全てのトイレに無料で生理用品を置くべきだと訴える声は世界各地の学生から上がっており、多くの国で実現を勝ち取っている。

必要な人すべてに生理用品を無料供給

スコットランドは生理用品へのアクセス問題で世界をリードする存在だ。何年にもわたる草の根運動を経て18年、スコットランドは全ての学校や大学に、無料のナプキンやタンポンを置くことを義務付けた。そして昨年、スコットランド議会は、必要とする全ての人に生理用品を無料で供給する生理用品法を満場一致で可決した。

生理用品の入手を容易にするための運動の先には、さらに野心的なゴールが待っている。生理に対する社会全体の意識改革だ。『ピリオド』のプロデューサーで「パッド・プロジェクト」の創設者バートンは言う。

「生理がいかに負のイメージを背負っているか、そして生理用品の不足がいかに女性が社会参加する足かせになっているかについて、理解を広めることを目指している」

フードバンクで配るための生理用品をガールスカウトが集めているといったニュースが広まるたび、そうした負のイメージは弱まっていく。当たり前の人体の機能なのに、気持ち悪いと思ったり見て見ぬふりをしたり......そんな反応をなくすための道のりはまだ長い。

それでも、生理をめぐる沈黙や恥の意識はもう時代遅れと言えるだろう。

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