犬にも依存症を引き起こす強迫観念が?

すると、105頭中33頭に、人間の依存症患者に多く見られる渇望や自制困難などの症状が見られたという。とりわけ犬の場合、おもちゃへの過度の執着や、そのおもちゃを優先して他の行動への関心が失われたり、おもちゃを取り戻そうとするといった行動が観察された。また、お気に入りのおもちゃを含む全てのおもちゃを視界から取り除いてからの15分間、落ち着きがないことも観察された。

お気に入りのおもちゃが見当たらないと、犬たちはそのおもちゃに執着し、長時間にわたり手に入れようと試みた。「餌を食べたり、飼い主と交流したりするよりも、おもちゃを手に入れることを優先する」傾向も報告されている。まさにおもちゃに「心を奪われている」状態だ。

人間の場合、行動依存の特徴は、よくない結果になることは分かっているのに、その行動を取らなければならないという強迫観念にとらわれることにある。過去の事例報告では、犬にもこうした強迫観念らしきものがある可能性が指摘されていた。

今回もその可能性は指摘されたが、まだ分からないことは多い。「犬が特定のおもちゃに過度に夢中になる理由と、それが犬の健康を害するまでになるか」は、さらなる研究が必要だと論文は説く。

Reference

Mazzini, A., Senn, K., Monteleone, F., & Riemer, S. (2025). Addictive-like behavioural traits in pet dogs with extreme motivation for toy play. Scientific Reports, 15(1). DOI: 10.1038/s41598-025-18636-0

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