過激派組織「イスラム国」のイスラム学者が、臓器の摘出を認める宗教見解(ファトワ)を示していたことが、ロイターが確認した文書で明らかになった。米当局者らは、文書は米軍特殊部隊がシリア東部で5月に実施した作戦で入手したとしている。

 米政府の翻訳によると、同組織の「研究ファトワ委員会」は2015年1月31日付の文書で、イスラム教徒の命を救出するために生きている捕虜から臓器を摘出することは許されるとし、たとえ捕虜が死亡することになっても認められる、との見解を示した。

 また「背教者の命と臓器への配慮は不要で、摘出することで処罰を受けることはない」とした。文書では「背教者」の定義は示されていない。

 ロイターはこの文書の信ぴょう性を確認できていない。また、「イスラム国」が臓器の摘出や売買に実際に関与したかどうかは文書では明らかになっていない。

 イラクのアルハキム国連大使はロイターに対し、「イスラム国」が資金獲得のため臓器売買を実施している可能性を示す証拠として、国連の安全保障理事会が文書を調査すべきだとの考えを示した。

 アルハキム氏は2月に、イラクのモスルで臓器摘出を拒否した医師12人が殺害されたとして、安保理に調査を要請した。

 対「イスラム国」でオバマ米大統領の有志連合特使を務めるブレット・マクガーク氏はインタビューで、米軍特殊部隊が5月に行った作戦でパソコンのハードドライブ、CD、DVDなど大量のデータが発見されたと述べた。

 作戦では「イスラム国」のアブ・サヤフ幹部が殺害され、妻が拘束された。同幹部は組織の資金源である原油・ガス取引などを指揮していた。

 マクガーク氏を含む米高官は、文書で示された見解に従い同組織が臓器摘出を実施したかどうかは確認できていないと述べた。

※米政府による同文書の英文翻訳はこちらをご覧下さい。

[ワシントン 24日 ロイター]
120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます