メディケア(高齢者医療保険制度)とメディケイド(低所得者医療保険制度)を統括する責任者に指名されたメフメット・オズは心臓外科医だが、行政や公衆衛生に関する経験はない。国立公園などの保護を担当する内務長官候補のダグ・バーガムは、そうした土地でも石油を掘れと熱心に主張してきた人物だ。
こういう人選を見ていると、トランプは本気で連邦政府をぶち壊し、アメリカ社会を奈落の底に突き落とすつもりのように思えてくる。
なにしろトランプの政権移行チームは現時点で(権限の移行に必要な)倫理規定への署名を拒んでいるし、FBIによる閣僚候補の身辺調査にも抵抗している。そうであれば、トランプが目指すのはアメリカ政府の「敵対的買収」なのか。いや、そこまでは無理だろう。それでも1期目のトランプ政権で「首席戦略官」に就き、いわゆる「ディープステート」との戦いで旗振り役を務めたスティーブ・バノン(今は本業の極右陰謀論拡散に励んでいる)は先頃ニューヨーク・タイムズの取材に応じ、こう語っている。
「ドナルド・トランプはアメリカの政治システムに強いトラウマを残す鈍器」であると。
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