その上で、菅総理はサプライチェーン問題の更に先を見据えた2兆円の「グリーンイノベーション基金」創設を支持しており、今後10年間の支援体制の構築開始に踏み切っている。上述の医薬品、半導体、レアアースの問題が解決した後、次に課題となるのはリチウムイオン電池などの環境新技術に焦点が移ることは自明である。これらが事業者への単純なバラマキでなく、減税や規制廃止と組み合わされた戦略的投資となることに期待する。

クリティカル・サプライ・フォーラムに日本人が関与する意義は大きい

日本はクリティカル・サプライ・フォーラムの事務局機能を担う国として、その国際的な役割を担うに相応しい。中央省庁の人事プロセスに関して、国際機関ポストへの就任を積極的に促す可能性についての報道もあったが、同フォーラムのような極めて重要な情報が集約する仕組みに日本人が関与する意義は大きい。

対中国の文脈で欧米諸国が団結しつつある状況を利用し、日本の国際的影響力拡大を図ることは国益に直結するものであり、自由で開かれた国際社会を維持していくためにも必要なことだ。今後も重要な取り組みを地道に推進する菅外交の展開に注目していきたい。