アッバスが4年の任期で大統領に選出されたのは05年のことだ。その彼が今も大統領職にあるのは選挙を度々「延期」してきたからである。パレスチナでは立法評議会も07年以来機能停止している。外国からの多額の支援金が流入するPAは、アッバスが独裁者として君臨し、そこが腐敗の温床になっている。
こうした事実からも、彼がホロコーストを否定し、ユダヤ人に対する憎悪をあおる発言を繰り返してきた事実からも目をそらし、PAを支援することで国際的な義務を果たしているように装ってきたのが日本の政府やメディアだ。
人権を尊重する国という名誉ある位置を占めるには、ジェンダーやLGBT問題ではG7に足並みをそろえよと主張しつつ、ユダヤ人問題では無関係・無関心を貫くようなダブルスタンダードは許されない。
二国家解決でパレスチナ和平を目指したオスロ合意から30年が経過した。国際的アピールを優先するあまり、枠組みだけを急いだ合意が和平をもたらさなかった原因を直視しない限り、先へは進めない。
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