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1989年6月4日の天安門事件 REUTERS

湖南省の同郷会が東京に6団体もある理由

前述したとおり、金に汚い浅ましい人間が多すぎる。金儲けしたい、いい暮らしをしたい、有名になりたいという輩ばかりだから、互いに協力することができない。

世界各地に中国民主化団体が存在するが、その数は数え切れないほど多い。すぐに分裂してしまうからだ。

民主化団体だけではない。中国には同郷会という組織がある。日本風に言うならば県人会、同郷人の組織だ。私の出身地である湖南省の同郷会は東京になんと6団体も存在する。会長の肩書きが欲しい、お山の大将ばかりだからだ。会長になれば、名誉欲も満たされるし、中国に戻ったときにビジネスの役にたつかもしれないというソロバン勘定も働く。

東京にある同郷会は出身者たちを繋ぎ、慣れない海外生活で困っている人を手助けすることが本来の役割のはずだ。だがこんなに分裂していては何の力もない。活動といえば、食事をしたり、スキー旅行に出かけたりというお遊びばかりだ。

こんなくだらない活動をしているぐらいならば、街で黙々とゴミ拾いでもしていたほうが、よっぽど世のため人のためになるではないか。

浅ましい根性を変えないかぎり、中国に変化はない。今、40歳以上の人間は古い考えのままで変わることはないだろう。残念ながら、天安門事件当時の大学生たちは古い考えの持ち主で、中国を変える力がなかった。

期待が持てるとすれば、改革開放以後に生まれた新しい中国人だ。欧米や日本の情報にも詳しく、実際に海外に行った経験も豊富だ。新しい中国人が世の中の主流となるとき、中国は大きく変化する。そう期待している。

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