【独占】トランプは戒厳令もやりかねない──警戒強める国防総省と米軍幹部

2020年12月25日(金)16時47分
ウィリアム・アーキン(元陸軍情報分析官)

だが戒厳令をめぐる議論に関心があり、大統領の心のうちについて憶測を巡らせている関係者たちによれば、トランプは3月に、自分には「人々が知らないような多くのことを行う権限」があるのだと語っていたという。

この発言の翌日である3月13日、トランプは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国家非常事態を宣言した。公衆衛生サービス法、スタッフォード法と国家緊急事態法の3つの法律に基づく国家緊急事態は、現在に至るまで続いているのだ。

戒厳令報道の後、トランプ自身はすぐに「戒厳令=フェイクニュース」とツイッターで否定したが、ホワイトハウス関係は、トランプが言う「人々が存在さえ知らない権力」は現実にを及ぼす可能性があるという。トランプは実際に極秘の権限を持っているし、その力にずっと魅了されてきたからだ。新型コロナウイルス感染拡大初期にホワイトハウス内で行われた議論を知る立場の軍関係者や国家安全保障会議(N S C)関係者によると、トランプは安全保障担当チームから大統領が非常時に幅広い分野で行使できる強大な権限について説明を受けていたという。その中には、暴動を鎮圧するための秘密の軍事作戦や、政府の存続のための極秘計画なども含まれていたという。

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