LIBOR廃止、スイス中銀の政策に影響ない=モーザー代理委員

2017年9月22日(金)20時39分

[チューリヒ 22日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行、SNB)のモーザー代理政策委員は、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の廃止は金融政策の実施に影響を及ぼさないとの見方を示した。

SNBは金利の誘導目標にLIBORを採用。6兆フラン(6兆2000億ドル)相当の契約においてLIBORが指標となっており、スイス国内での重要性は抜きん出ている。だがLIBORは不正操作が相次いだため、2021年末までに廃止され代替指標へ移行される見込み。モーザー委員によると、算出の基になる無担保取引は、すべての通貨に対して過去最低の水準に縮小しているという。

同委員は、22日にチューリヒで開催される会議のための準備原稿で「さまざまな対策が取られたが、LIBORを再び信頼性のある、安定していて回復力のある指標として再建することは不可能のようだ」との見解を示した。

さらに「中銀は短期金利目標の制御を、あらゆる方法で行うことができる」と主張。「特に、政策スタンスは既存の固有指標にひも付けされたものではなく、SNBについても同じことが言える。したがって、LIBORの廃止はSNBの政策スタンスにも、物価安定を確実にする能力にも影響しない」と指摘した。

SNBは代体指標として、翌日物レポ取引を原資産とする有担保指標「SARON」(Swiss Average Rate Overnight)の採用を検討している。

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