米、1100万ドル没収求め北朝鮮関連企業提訴 資金洗浄関与の疑い

2017年8月23日(水)08時29分

[ワシントン 22日 ロイター] - 米政府は22日、同国の経済制裁の対象となっている北朝鮮の銀行のためにマネーロンダリング(資金洗浄)を行ったとして、シンガポールと中国に拠点がある3社から資金1100万ドルを没収するよう裁判所に訴えたことを明らかにした。

このうち、司法省はシンガポールに拠点を置く「トランスアトランティック・パートナーズ」など2社を提訴し、首都ワシントン(コロンビア特別区)の司法長官は中国遼寧省の貿易会社「丹東誠泰貿易」を相手取り資金の没収を訴えた。2件とも、米政府が請求した北朝鮮関連の没収額としては過去最大規模。

政府はまた、制裁違反と資金洗浄関与を巡り民事制裁金も請求している。

財務省外国資産管理局(OFAC)はこの日、北朝鮮の核・ミサイル開発に関与したとして、中国とロシアなどの企業10社や個人6人を制裁対象に追加指定したと発表。司法省の訴追対象となっている企業も含まれる。

司法省によると、トランスアトランティック・パートナーズなど2社からは700万ドル近い資金の没収を請求。ロシア企業からの石油調達を目指していた制裁対象の北朝鮮銀行に代わり資金洗浄を行ったとしている。

「丹東至誠金属材料」としても知られる丹東誠泰貿易については、朝鮮労働党に代わり米制裁逃れを画策したとしている。具体的には、北朝鮮産石炭の貿易を手助けし、その売上高が北朝鮮のミサイル開発に使われたという。丹東誠泰は米連邦捜査局(FBI)の調査で、国内最大の北朝鮮産石炭輸入業者の1つであることが判明している。

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ