第2四半期のタイGDP、前期比+1.3% 約4年ぶり高水準

2017年8月21日(月)17時12分

[バンコク 21日 ロイター] - タイ国家経済社会開発庁(NESDB)が21日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は、季節調整済みで前期比1.3%増となり、ロイターがまとめたエコノミスト予想(1.0%増)を上回った。輸出と観光業が堅調だった。

1.3%の伸び率は第1・四半期と変わらずで、約4年ぶりの高水準。

前年比では3.7%増で、予想の3.2%増を上回った。3.7%は17四半期ぶりの高水準。第1・四半期は3.3%増だった。

タイの成長率はここ数年、他の東南アジア諸国の成長率に後れを取っている。軍事政権は内需押し上げに向けて支出を拡大しているものの、大型インフラプロジェクトはなかなか進んでいない。

そのため成長は輸出と観光の回復に依存しているが、保護貿易主義の高まりや中国経済の減速、バーツ高といったリスクにも直面している。

NESDBは21日、2017年の成長率予想を、5月時の3.3─3.8%から3.5─4.0%に引き上げた。

2017年の輸出の伸びも3.6%から5.7%に上方修正した。

タイ中央銀行は先月、2017年の成長率は3.5%、輸出の伸びは5%になるとの見通しを示した。

ロイターがまとめたアナリストの2017年成長率予想は3.4%。2016年の成長率は3.2%だった。

キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、ガレス・レザー氏は「今後数四半期は、比較的高い成長が続くだろう。良好な外需、景気配慮型の金融・財政政策が追い風になる」と指摘。「不透明な政治情勢が、先行きの大きなリスクだ」と述べた。

タイの経済成長率は、2014年の軍事政権発足以降、他の東南アジア諸国を下回っている。大型インフラプロジェクトに遅れが出ているほか、民間投資も4年以上にわたって低迷。家計の債務も多く、消費を阻害する要因となっている。

Period Q2/17 Q1/17 Q4/16 Q3/16 Q2/16

Q/Q (s/a) 1.3 1.3 0.5 0.5* 0.9*

Y/Y 3.7 3.3 3.0 3.2 3.6

*改定値

*情報を追加します。

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