北朝鮮経済成長率、16年は3.9% 17年ぶりの大きさ=韓国中銀

2017年7月21日(金)17時28分

[ソウル 21日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は21日、北朝鮮の2016年の経済成長率が3.9%となり、1999年(6.1%)以来17年ぶりの大きさになったと発表した。

コモディティー価格の下落や干ばつでマイナス成長となった15年からの反動に加え、鉱業やエネルギーが寄与した。

北朝鮮の輸出は4.6%増となり、2013年(11.8%増)以来の大きさとなった。水産物の出荷が寄与した。輸入は4.8%増だった。

2016年の1人当たりの国民総所得(GNI)は150万ウォン(1136ドル)だった。

北朝鮮は経済指標を発表しておらず、韓国中銀が韓国の統一省や国家情報院など政府機関の情報をもとに1991年以降毎年、北朝鮮の国内総生産(GDP)を公表している。

韓国中銀のシンスンチョル氏は、北朝鮮の核ミサイル開発にかかる部品製造がGDP成長率の算出に含まれているため、活発な開発計画が堅調な経済成長に一部寄与しているかもしれないと指摘。またミサイル製造との関連は不明だが、16年の同国の発電量が増加していると述べた。

韓国中銀当局者は、中国による石炭輸入の禁止や昨年から強化された国際制裁が2017年の北朝鮮経済にどう影響するかについてコメントを避けた。国連食糧農業機関(FAO)は20日、北朝鮮が2001年以来最悪の干ばつにより、深刻な食糧難に陥ってると発表した。

韓国政府系シンクタンク・韓国統一研究院(KINU)の主任研究員、キムソクジン氏は、今年の北朝鮮経済は中国による石炭輸入の禁止決定の影響を「間違いなく」受けるだろうと述べた。また朝鮮半島はここ数週間で降雨がみられるため、北朝鮮の農作物に被害が出ているかどうか判断するのは早すぎるとした。

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