トランプ米大統領、逆風のなか初の外遊 中東・G7会議出席へ

2017年5月17日(水)16時13分

[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領は19日、ロシアを巡る疑惑で逆風にさらされる中、大統領として初の外遊に出発する。9日間の予定で、中東のサウジアラビア、イスラエル、ヨルダン川西岸、欧州ではバチカンなどを訪問し、イタリアで開催される主要7カ国(G7)首脳会議に出席する。ホワイトハウス高官や政権に近い共和党関係者によると、トランプ大統領は、この外遊でリーダーシップをアピールしたい考えという。

トランプ大統領は、ロシアへの機密情報提供疑惑や米連邦捜査局(FBI)長官解任巡る問題で、厳しい批判に直面している。ホワイトハウスに近い共和党関係者は、この状況を打開するには外交で成果をあげる必要があると指摘する。

しかし、政権をめぐる問題が足かせになる可能性もある。

2012年と16年の大統領選で、それぞれミット・ロムニー氏とマルコ・ルビオ氏の顧問を務めたランヒー・チェン氏は「今回の外遊には、非常に多くの要因が絡み合っており、実際にトランプ氏がどのようなメッセージを発したいのかが問題になる」と述べた。

<外交の機微知らず>

しかし、もともと実業家で大統領選で勝利するまで政治経験のないトランプ氏が、果たして円滑な外交デビューを果たせるか疑問視する向きもいる。

ある共和党関係者が匿名を条件に語ったところによれば、最近トランプ大統領と面会したが、大統領がイスラエル・パレスチナ問題の複雑さについてきちんと理解しているとは思えなかったという。

この関係者は、大統領が出発前に閣僚などからさらなるブリーフィングを受ける必要があると指摘した。

今回の外遊に向け、トランプ大統領はティラーソン国務長官、マティス国防長官、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、クシュナー大統領上級顧問(通商・中東政策担当)などと協議を重ねている。

中東のある政府高官は、最初の訪問国をイスラム国家のサウジアラビアにしたことは、米国がイスラムを敵視していないというメッセージになると述べた。しかし、衝動的と受け止められる発言をしがちなトランプ大統領の言動によっては、「深刻なしっぺ返し」が待っているとも指摘した。

ジョージ・W・ブッシュ政権の報道官を務めたアリ・フライシャー氏は、初の外遊だからこそ重要な意味を持つと指摘。

「超党派の称賛を浴びる可能性もあるし、失敗しその失敗が誇張される可能性もある」と述べた。

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