ASEAN議長声明「中国との関係改善」、南シナ海巡る態度軟化

2017年5月1日(月)15時03分

[マニラ 30日 ロイター] - 東南アジア諸国連合(ASEAN)は30日、フィリピンで開いていた首脳会議の議長声明を発表した。中国が人工島を建設し軍事拠点化を進める南シナ海の問題について表現が前回から軟化した。

会議終了から約12時間後に発表された議長声明からは、昨年の声明に記載されていた「埋め立てや軍事拠点化」という文言が削除された。この文言はロイターが29日に入手した未発表版には含まれていた。

声明は「ASEANと中国の協力関係の改善」にも言及。前回の声明と今回の声明草案にあった「緊張」などの文言は削除され、南シナ海での「最近の動向」を巡る一部の首脳の懸念に留意するとの表現にとどまった。

ASEAN外交筋は29日、中国の戦略的な海洋進出についてASEANの公式な議題から外すよう中国側が議長国フィリピンに働きかけたと明らかにしていた。

この問題に対し、より強硬な姿勢を望んでいた4カ国が態度を軟化させたことも、声明の文言を和らげることにつながったとみられる。

29日時点で、在マニラの中国大使館からのコメントは得られておらず、中国財政省はコメントを控えた。

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