米政府、アルミ輸入の調査開始 安全保障への影響判断

2017年4月27日(木)13時10分

[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省は26日、中国などからのアルミニウムの大量輸入が米国の安全保障に悪影響を及ぼしているかどうかを巡り調査に着手した。

ロス商務長官は、今回の調査は先週発表された鉄鋼製品輸入への調査と同様のものだと説明。トランプ大統領は先週、国家安全保障を理由に輸入規制を課すことを大統領に認める1962年通商拡大法第232条に基づき、外国製鉄鋼製品の調査を商務省に指示した。

長官は記者団に対し、輸入品が不当に取引されているために、米国の複数のアルミ製錬所が近年、閉鎖あるいは操業停止に追い込まれている状況を踏まえ、調査を開始したと述べた。

米国はアルミ製品の輸入抑制に動いている。商務省は先月末、中国製アルミ箔の輸入を巡り、反ダンピング(不当廉売)関税や相殺関税の対象になるかどうか判断するため調査を開始したと発表した。

ロス長官は会見で、F35やFA18など米軍戦闘機の製造には米センチュリー・アルミナムが唯一生産している高純度アルミニウムが必要だが、米国の軍備増強が必要になると1社では供給が間に合わなくなる恐れがあると指摘。

「米軍の高品質アルミニウム需要が一段と増しているまさにその時に、航空宇宙品質のアルミニウムを製造できるメーカーが国内に1社しかない」と語り、調査の正当性を強調した。

調査では、米国の防衛需要を満たすのに十分なアルミ生産能力が国内にあるかどうかを判断するとともに、雇用や技能、投資の喪失による国家安全保障への影響も評価するという。

中国商務省の報道官は定例会見で、調査に対し深刻な懸念を表明し、話し合いを通じた解決を望むと述べた。

*内容を追加しました。

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