EU加盟交渉難航は宗教が一因、断念もあり得る=トルコ大統領

2017年4月26日(水)13時09分

[アンカラ 25日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は25日、ロイターの取材に応じ、トルコの欧州連合(EU)加盟交渉が長引いている背景にはイスラム教への嫌悪感があるとし、加盟を断念する用意もあると語った。

欧州評議会議員会議はこれに先立ち、昨年のクーデター未遂を受けてトルコ政府が反政府勢力を弾圧している状況を巡り、トルコを人権問題の監視対象とした。エルドアン大統領はこの決定を「完全に政治的だ」と批判した。

トルコでは大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票が今月行われ、賛成が過半数を占めた。国民投票の前には、ドイツとオランダがトルコ閣僚による自国での改憲支持集会の開催を阻止したのに対し、エルドアン大統領が両国をナチスになぞらえて批判するなど、トルコとEU加盟国の関係は一段と悪化している。

エルドアン大統領はインタビューで、破壊されたモスクの写真などを見せながら、「欧州では、イスラム嫌いの度合いが極めて深刻になっている。EUはトルコに対する門戸を閉ざしつつあるが、トルコは誰に対しても門戸を閉じようとしていない」と発言。

「EU側が誠意をもって行動しない場合、われわれは出口を見つける必要がある。なぜ、これ以上待たなければならないのか。(トルコが欧州共同体に加盟する意思を示した1963年のアンカラ協定から)54年間協議を続けている」と語った。

大統領はまた、必要な場合は、英国のようにEU加盟の是非を問う国民投票を実施する可能性があると明らかにした。

今週はトルコのEU加盟にとって重要な会議が予定されている。26日にはEU議員による協議、28日には加盟国外相による協議が予定されている。

エルドアン大統領は、協議の行方を注視しているとし、トルコにはなお交渉を継続する意思があると表明。「EU側の要求に応じる用意があるが、トルコはまだ入り口に立たされたままだ」と語った。

大統領はさらに、「EUにはトルコのような異なる信仰を象徴する国が必要だが、EU加盟国はそれを認識していないようだ。彼らはイスラム教徒の国を(EUに)受け入れることがとても難しいと考えている」と述べた。

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