米政府、NAFTA再交渉で「税の公平性」要求へ=文書

2017年3月31日(金)10時42分

[ワシントン 30日 ロイター] - トランプ米政権は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にあたり、「税の公平性」の確保を要求するとともに、加盟するカナダとメキシコからの大量輸入で米国の産業に「深刻な被害」が予想される場合には関税の再導入を認めることも求めていくとみられる。

米通商代表部(USTR)が議員に送付した文書で明らかになった。この文書は、NAFTA見直しに向けた交渉を開始するのに必要な通知書の草案で、交渉の優先事項などが記されている。

トランプ大統領は大統領選の期間中、NAFTAは「失敗作」だと批判し、見直す方針を示していた。

文書によると、トランプ政権はNAFTAの再交渉で、反ダンピング・相殺関税を巡る問題を特別な紛争処理委員会を通じて解決する制度の撤廃も求める方針。

それでも、現行の条項の大半は維持するとしている。

ロス米商務長官は30日、CNBCのインタビューで、交渉で優先したい事項は「税の条件を公平にすること」だと発言していた。

多くの国が輸出品を付加価値税の対象外とする一方、米国では同様の優遇措置を適用できない問題の解消を目指す方針を示唆し、「この問題を解消する一つの手段としてNAFTAを活用する」と語った。

カナダとメキシコは付加価値税を導入しており、米国は輸入品に国境調整税を課すことを検討している。

文書によると、トランプ政権はこのほか、政府の調達に際し、米国の法律と国内での調達を優先させる政府方針に従うことを義務付けることを要望。また、デジタル取引の保護や知的財産権の保護強化なども求めている。

ロス長官はまた、議会が来週末から休会に入ることを踏まえ、NAFTAの再交渉入りに向けた90日間の審査期間をそれまでにスタートさせたい考えを表明。CNBCのインタビューで、90日間の審査期間に入るためには下院歳入委員会と上院財政委員会の幹部が通知書に署名する必要があるとした。

*内容を追加します。

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ