敵基地攻撃能力の保有、自民が政府に検討求める

2017年3月30日(木)17時22分

[東京 30日 ロイター] - 自民党は30日、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ中、敵基地攻撃能力の保有と迎撃態勢の強化を早急に検討するよう政府に提言した。政府は同盟国の米国と調整しつつ、提言を踏まえて弾道ミサイル対処力の増強を急ぐ。

提言は、北朝鮮の弾道ミサイル開発を「新たな段階の脅威」とした上で、敵領内のミサイル発射装置などを破壊する敵基地攻撃能力の保有を「直ちに検討」するよう政府に要求。新型迎撃ミサイルの導入や、領海のすぐ外側の排他的経済水域(EEZ)に落下する弾道ミサイルを迎撃可能にする法的措置の検討も求めた。

安倍晋三首相は「新たな段階の脅威に入ったと深刻に受け止めている。この認識は米国も同じだ」と発言。「提言をしっかりと受け止めたい」と語った。

政府は提言を踏まえて「種々の検討」(菅義偉官房長官)を行うが、日本が敵基地攻撃能力を保有するには、米国が「矛」、日本が「盾」という日米同盟の役割分担の見直しが必要になる。「イージス・アショア」や「THAAD(サード)」といった新型迎撃ミサイルも、導入を決めれば米国から調達することになる。

いずれも米国との調整が欠かせず、政府関係者の1人は、両国が早期開催で一致している外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の「議題になるだろう」と指摘する。

(久保信博)

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