ロンドン襲撃事件で4人死亡・40人負傷、英首相「異常で邪悪」

2017年3月23日(木)11時06分

[ロンドン 22日 ロイター] - 英ロンドンの国会議事堂付近で22日発生した襲撃事件では、4人が死亡、約40人が負傷したと警察当局が明らかにした。襲撃犯とみられる男は射殺された。

英国家テロ対策警備室の責任者、マーク・ローリー氏は記者団に、警察当局は犯人がイスラム主義関連のテロに触発されたと疑っていると述べた。犯人の身元は特定できたと思うと語ったが、詳細は明らかにしなかった。

当局の発表によると、車がウェストミンスター橋の歩道に突っ込み、通行人3人が犠牲になったほか、警官1人が犯人の男に刃物で切りつけられて死亡した。

犯行の暴走車はその後、議会近くの柵に衝突。刃物を持った少なくとも男1人が攻撃を続け、議会への進入を試みた。男は警官を刺殺した後、射殺された。

仏当局者によると、負傷者には15─16歳のフランス人学生が含まれる。

事件を受け、議会は即時閉鎖された。事件発生時、議会内部にいたロイター記者たちは、大きな物音を聞いた後まもなくして、議事堂の敷地内でナイフを持った男と刺されて倒れている警察官を目撃した。

また、ロイターのカメラマンはウェストミンスター橋の上で少なくとも10人以上が負傷しているのを目撃した。撮影された写真には、地面に横たわる人々、なかには大量に出血している人たちやバスの下敷きになっている人が写っている。

英首相府報道官はメイ首相が無事であることを確認した。

メイ首相は犠牲者に哀悼の意を表明するとともに、攻撃を「異常で邪悪」と非難した。

「テロリストは、あらゆる国籍、宗教、文化を持つ人たちが、自由と民主主義、言論の自由という価値を称賛すべく集まっているわれわれの首都中心部で攻撃することを選んだ」とメイ首相は述べ、暴力でこうした価値を打倒しようとするいかなる試みも「失敗する運命にある」と語った。

今後、首相は政府の危機対応委員会を開催する。

ロンドンのカーン市長は「われわれに危害を加え、生活を破壊しようとする者たちに対し、われわれは共に立ち向かう。ロンドン市民は決してテロを恐れない」と語った。市民と訪問者の安全を守るため、市内を警備する警官の数を増やすことを明らかにした。

米ホワイトハウスは、事件を受けてメイ首相とトランプ大統領が電話協議したことを明らかにした。そのなかでトランプ大統領は全面的な協力と支援を申し出たという。また、ティラーソン米国務長官は「恐ろしい暴力行為」と述べ、攻撃を非難した。

ドイツのメルケル首相と北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長も英国との連帯を表明した。

事件が発生した22日はベルギーの首都ブリュッセルで発生した同時攻撃の1周年目にあたる。

*内容を追加します。

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