トランプ米大統領、入国制限めぐり判事や裁判所制度を批判

2017年2月6日(月)08時44分

[ワシントン 5日 ロイター] - イスラム圏7カ国から米国への入国を制限する大統領令の一時差し止めをワシントン州シアトル連邦地裁が命じたことを受け、トランプ米大統領は5日、同地裁の判事への批判を強めるとともに、米国の国境警備を困難にしているとして裁判所制度へも非難の矛先を向けた。

大統領はツイッターへの投稿で、万一の事態が発生したら、国民はジェームズ・ロバート連邦地裁判事と裁判所制度を責めるべきだと発言し、国土安全保障省に「入国者を極めて注意深く審査するよう指示した」と強調、「その仕事を裁判所が非常に難しくしている」と非難した。

トランプ大統領は、ロバート判事が大統領令の一時差し止めを命じた翌日の4日には、同氏を「判事とやら」と呼んでいた。

連邦控訴裁は4日遅く、差し止め命令の即時取り消しを求めた政府の訴えを却下した。

共和党内部から大統領に司法への全面的な批判を弱めるよう求める声が上がる中、ペンス副大統領は5日のNBCの番組で「米国大統領には(三権分立の)他の二権を批判する権利が当然ある」と述べ、トランプ氏を擁護した。

憲法で行政と立法へのチェック機能を果たすとされる司法に携わる人物を現職大統領が攻撃するのは異例だ。

トランプ氏のこうした攻撃をめぐり、民主党だけでなく共和党内部からも不快感を示す議員が出ており、マコネル上院院内総務は判事を名指しして批判すべきでないと指摘。共和党のサス上院議員は、三権はいずれも憲法を支持し、守ろうとしているだけだと述べた。

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ