トランプ次期米大統領「薬価引き下げる」、 具体案は示さず

2016年12月8日(木)07時53分

[ニューヨーク 7日 ロイター] - トランプ次期米大統領は7日、タイム誌のインタビューで、医薬品の価格動向に不満に感じているとし、「薬価を引き下げる」と述べた。ただ、具体的にどのように引き下げを実施するかについては言及しなかった。

タイム誌は毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」にトランプ氏を選んだ。

同氏は過去に海外からのより安価な医薬品の輸入に前向きな姿勢を示唆していた。

薬価引き上げに批判的だった民主党候補のクリントン氏が先月8日の米大統領選に敗北したことで、製薬株とバイオテクノロジー株は当初は値上がりし、ナスダック・バイオテクノロジー株指数は大統領選後の2日間で一時12%上昇した。

しかし医薬品株はここ数週間で上げ幅の大半を消し、ナスダック・バイオテク指数は7日に3%超下落。NYSEアーカ医薬品株指数は1%安となった。

レイモンド・ジェームスのバイオテク・アナリスト、クリス・レイモンド氏は、投資家はトランプ氏の発言をどれほど真剣に受け止めるべきか分からないと感じていると指摘。「私が話した中では、トランプ氏の発言を受けて売りを出している機関投資家はいない」と述べた。

米医薬研究製造業協会(PhRMA)は電子メールの声明で、薬価をめぐる政府の指示や介入は患者にとって解決策とはならないと指摘した。

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスのエリク・ゴードン教授は、トランプ氏が大統領選で勝利したことで「自由に薬価を設定できると製薬企業が考えるのであれば、思い違いだ」とし、トランプ氏に投票した有権者で高価格の医薬品を支持する人はいなかったと述べた

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