米AT&Tのタイム・ワーナー買収、与野党から懸念表明相次ぐ

2016年10月24日(月)10時23分

[ワシントン 23日 ロイター] - 米通信大手AT&Tのタイム・ワーナー買収計画に対して民主、共和両党から懸念が相次いで示され、当局が審査を強化する可能性が高まっている。

米大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ氏は選挙集会で、大統領選に当選した場合、買収を承認しない考えを明らかにした。

民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官はまだコメントしていないが、民主党予備選でクリントン氏と指名獲得を争ったバーニー・サンダース上院議員はツイッター上で、価格が上昇し、消費者の選択肢を狭めることになるため、政府は買収を阻止すべきと述べた。

クリントン氏は、大統領選で若年層や左派の有権者からの支持を得るためにサンダース氏の協力を必要としている。

クリントン陣営の広報担当者ブライアン・ファロン氏は23日、記者団に対し、買収案に関して「多くの疑問や懸念」があるとし、「何らかの結論を出す前に多くの情報が必要」と述べた。

上院の反トラスト小委員会は11月、買収計画について公聴会を行う。マイク・リー委員長などが明らかにした。

民主党副大統領候補のティム・ケーン上院議員は、議会や規制当局が買収を審査し、合併で競争が制限されるのかという問題の真相を明らかにすべきと指摘した。

独占禁止法に違反している場合、買収を阻止する権限は大統領ではなく司法省にある。AT&Tによると、連邦通信委員会に審査権限があるかどうかは不明。

AT&Tは、2017年末までに当局の承認を得ることを目指している。

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