米国、シリア難民受入枠を拡大へ 今年度は1カ月早く定員上限に

2016年8月30日(火)13時14分

[ワシントン 29日 ロイター] - 米ホワイトハウスによると、米国は2017年度(10月からの1年間)に受け入れるシリア難民について、現行からさらに数千人分、枠を拡大するよう議会と協議を行っている。16年度の受け入れ予定数は1万人だったが、8月時点で既に定員に達した。

ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は声明で「難民受け入れはシリアや周辺地域をめぐる人道支援の一部にすぎず、この(受け入れ枠拡大の)判断がシリアだけでなく国際社会に送るメッセージの重要性を、オバマ大統領はよく理解している」と指摘した。オバマ大統領は来年1月に任期満了となる。

ドイツをはじめとする欧米諸国は、内戦で故郷を追われた多くのシリア難民を受け入れているが、米国の受け入れ数はまだ少ない。たとえばカナダが昨年11月からの半年で3万人近くを受け入れたのに対し、米国は2015度は1682人、14年度は105人、それ以前は年間30人程度にとどまっていた。

一方で、難民受け入れについては米国内からの風当たりが強い。来年の大統領選に向けた選挙戦でも激論が交わされ、共和党候補のドナルド・トランプ氏は、難民を装った武装勢力を入国させることになりかねないと主張。民主党内からも、シリア難民受け入れに際し審査を厳格化するよう求める声が出ている。

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