英国との交渉担当者に「熟練政治家」、欧州委員長が指名

2016年7月28日(木)02時22分

[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州委員会のユンケル委員長は27日、欧州連合(EU)離脱を決めた英国との交渉担当者に、フランスの政治家ミシェル・バルニエ氏を指名した。

中道右派の政治家でフランスの元外相・農水相であるバルニエ氏は、域内市場・サービス担当の欧州委員を務めた経験がある。金融危機の後、欧州に一連の金融規制を導入した。

メイ英首相の報道官は「英国の秩序立ったEU離脱に向けて、加盟国や欧州理事会、欧州委員会の代表と」協力することを望んでいると述べたが、バルニエ氏には言及しなかった。

英メディアは冷ややかな反応を示している。ブレグジット(英国のEU離脱)支持派の英大衆紙サンの政治記者トム・ニュートン・ダン氏はツイッターで「これ以上に反英国的な人物は思いつかない。これは宣戦布告だ」と述べた。

イブニング・スタンダード紙はバルニエ氏を「シティー(ロンドンの金融街)の災難のもと」と評した。

バルニエ氏は10月1日に就任する。ユンケル委員長に直接報告する立場にあり、必要な資源・人材は揃っている。

ユンケル委員長はバルニエ氏について、主要政策についての経験が豊富でEU加盟国に広いコネクションを持つ腕の立つ交渉人だと述べた。ユンケル氏は声明で「この難しい任務には熟練の政治家が必要だ。バルニエ氏はこの新たな課題にうまく対処し、EU離脱後の英国との新たな関係構築に貢献してくれるだろう」とした。

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