トルコ政府がジャーナリスト42人を拘束、クーデター未遂事件捜査で

2016年7月26日(火)11時24分

 トルコ政府は25日、クーデター未遂事件の捜査で記者42人の拘束令状を出した。NTVが報じた。

7月15─16日に起きた軍の一部によるクーデーターが失敗に終わった後、トルコ当局は関与が疑われる6万人以上の兵士、警察官、判事、教師や公務員などを拘束、あるいは捜査対象としている。欧米諸国や人権団体からは、エルドアン大統領がこの機会に乗じて権力基盤を強化しようとしているとみて、懸念を示している。

欧州委員会のユンケル委員長は25日、トルコは早期に欧州連合(EU)に加盟できる状況にはないとの見解を示すとともに、同国が死刑制度を復活させれば直ちに加盟交渉を停止すると警告した。

これに対し、チャブシオール外相はトルコのメディアに、死刑制度に関して欧州はトルコを脅すことはできないと反論した。

トルコは2004年に死刑制度を廃止し、その後EU加盟交渉がスタートした。しかしその後、加盟交渉はほとんど進んでいない。

エルドアン大統領は25日放映されたドイツのテレビ局のインタビューで、あらためて死刑制度を復活させる可能性に言及。「トルコの国民は死刑制度の復活を望んでいる。政府は人々の声に耳を傾けなくてはならない」などと述べた。

NTVによると、拘束令状が出ているジャーナリストの中には、反政府の論調で知られる著名ジャーナリスト、ナズル・ウルジャク氏も含まれているという。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、拘束された人々が暴行されたり、拷問されたりしていることを示す信頼できる証拠があるとする声明を発表した。



[イスタンブール 26日 ロイター]

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