オバマ米大統領「イスラム差別は米国の価値観への侮辱」

2016年7月22日(金)12時23分

 オバマ米大統領は21日、イスラム教徒の移民が米国に貢献していることを称え、イスラム教徒を差別しようとすれば、テロリストの術中に陥ることになると述べた。

ホワイトハウスで開かれたイスラム教の断食月明けの祭り「イード・アル・フィトル」を祝う式典で、大統領は「イスラム教徒の米国人は、他の米国人の同胞と変わらず、愛国心が強く、社会に融和し、米国人らしい」とし、「何世代も前からここに住む家族であれ、新たな入国者であれ、わが国の成り立ちの不可欠な部分である」と語った。

また、米大統領選の共和党候補となったドナルド・トランプ氏を名指しこそしなかったが、同氏の選挙スローガン「米国を再び偉大な国にする」を踏まえ、イスラム教徒に対する差別的政策は「すでにわが国を偉大にしている価値観」への侮辱になると述べた。

「イスラム教徒を標的にすれば、ISIL(過激派組織「イスラム国」)のようなテロリストが言う、西側諸国は10億人以上の信者をもつ宗教と敵対しているとの嘘を助長することになる。それは国の安全保障上、賢明ではない」と語った。

オバマ政権が打ち出した今年1万人のシリア難民を受け入れる計画は批判に直面しており、共和党の一部からはイスラム過激派が難民を装って入国する可能性があると警告する声が聞かれる。

一方、昨年12月にカリフォルニア州サンバーナディーノでイスラム過激派に感化された夫婦が14人を殺害した事件を受け、トランプ氏はイスラム教徒の入国を一時的に禁止することを提案している。



[ワシントン 21日 ロイター]

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