英EU離脱で英語がEU公用語から外れる可能性=欧州議会幹部

2016年6月29日(水)12時53分

[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州議会の幹部は27日、英国が欧州連合(EU)を離脱すれば、英語はEUの公用語ではなくなる可能性があるとの見方を示した。

EU各機関では主に英語が使用されているため、現実的には難しいとしても、象徴的なこの動きが実現すれば、欧州における英国の影響力が一段と低下し、アイルランド国民は憤慨するだろう。

EU加盟国はそれぞれEU言語を1つ指定する権利がある。英語は欧州で最もよく話されており、3カ国において公用語であるにもかかわらず、正式には英国だけが英語をEU言語に指定し、アイルランドはゲール語、マルタはマルタ語を選択している。

欧州議会憲法問題委員会のダヌタ・ヒューブナー委員長は、英国のEU離脱による法的な影響について「英国の申告に基づいて英語が公用語となっている。英国が抜けるならば、英語も同様だ」と記者会見で語った。

ただ、公用語でなくなっても実際には使用する可能性があるとし、公用語であり続けるためには、全加盟国の同意が必要だと説明した。また、加盟国が2カ国語以上を選べるようルール変更することも考えられるとした。

EUの文書や法的資料は公用語である24か国語に翻訳されるが、英語が公用語でなくなれば、英国人は自分で翻訳する必要がある。また、英語はEU特許を申請する際に用いる3言語に含まれており、英語圏の研究者や企業はその利点を享受してきた。

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