トルコ、イスラエルと6年ぶり関係正常化 ロシア機撃墜では遺憾表明

2016年6月28日(火)13時07分

[イスタンブール/モスクワ/エルサレム 27日 ロイター] - トルコとイスラエルは27日、外交関係を正常化したと発表した。両国の関係は2010年5月、パレスチナ自治区ガザ地区に向かっていた活動家の支援船をイスラエル軍が襲撃し、トルコ人10人が死亡した事件を受けて悪化していた。

トルコのエルドアン大統領は「合意により、経済関係は改善するだろう」と述べた。イスラエルのネタニヤフ首相も重要な一歩だとし、同国経済にとって「非常に大きな意味を持つ」とした。

トルコのユルドゥルム首相は、両国は可能な限り早く互いに大使を派遣すると述べた。また、ガザ地区に支援物資1万トンを7月8日に送る予定だとしたほか、同地区での水・電力供給問題の解消に着手すると明らかにした。

トルコ当局者らはこれまで、イスラエルとの関係修復について、最終的に地中海東部の天然ガス開発での協力につながる可能性があると指摘していた。ネタニヤフ首相は、関係正常化がトルコを通じたイスラエルの欧州向けガス供給を可能にするとの見解を示した。

またエルドアン大統領はロシアとの関係改善についても言及。両国関係は昨年11月に発生したトルコ軍によるロシア機撃墜を受けて冷え込んでいる。大統領は、現在の状況は双方の利益にならないとし、早急に関係を正常化させると述べた。

ロシア政府はこれより先、エルドアン大統領がロシアのプーチン大統領に宛てた書簡でロシア機撃墜を謝罪したと発表。エルドアン大統領の報道官は、謝罪についてははっきりと述べなかったが、書簡が送られたことを確認した。報道官は、エルドアン大統領が遺憾の意を表明し、死亡したパイロットの遺族に「許し」を求めたと説明した。

ロシア機撃墜をめぐっては、トルコ政府は同機がトルコの領空に侵入したとし、撃墜は正当な対応だったとの立場を示した一方、ロシア側は領空侵犯はなかったとしていた。ロシアは貿易制限措置を打ち出し、天然ガスをトルコ経由で欧州に供給するパイプラインの建設計画に関する交渉を凍結、ロシア人旅行者にトルコのリゾート地への渡航を控えるよう伝えるなどしていた。

プーチン大統領は、エルドアン大統領が謝罪を表明すればこうした措置を撤回するとしていた。ロシア当局は27日、撤回については明らかにしていない。

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